Pocket

山下です。

Make: Japanで面白いプロジェクトが紹介されていました。
Make: Japan | 30ドル以下で作る真空チャンバー

これは液状シリコーンの脱泡(気泡を抜く)にちょうどよさそう。

私は信越シリコーンのKE-1310STという室温硬化型(RTV)シリコーンを愛用しています。KE-1310STは、引張強さ、引裂強さ共に非常に優れていながら硬度が40あって、型取り用途にとどまらず使えるポテンシャルがあります。ただいかんせん粘度がめちゃくちゃ高くて(75Pa・s)、硬化剤を添加して攪拌するときに入る気泡を抜くのが容易ではありません。
これのちょうど1/10の7.5Pa・sの食品用シリコーンを使ったときは、手動の真空おひつで十分でしたが、75を手動で抜くのは絶対に無理です。

ちょうど家に使っていない冷蔵庫があったので、コンプレッサを取り外して、真空脱泡の実験をしてみました。

コンプレッサは冷蔵庫の後ろの一番下にありました。真鍮の管は10cm程度残してニッパーで切ってしまってOK. 電線は配線図を見て、運転コンデンサと基盤の間で切ります。

最近のエコ家電だとインバータが入ってたりしてややこしいのかもしれませんが、これは古いレシプロ型だったので、運転コンデンサユニットから出ている二本の線にAC100Vをかけてやれば動きました。

これがコンプレッサ

結構重いし振動するので、丈夫な木の板の上にがっちりマウントしました。

コンプレッサから突き出ているパイプのうち、吸引パイプにはビニールチューブ(水槽用でOK)、排気パイプには、油が出てくるのでボロ雑巾を付けます。

プレッシャーリリースは、継手から出したビニール管を折り曲げるというすごく雑な機構にしています。先のリンク先ではペットボトルのキャップを使ったものを作っていて、かっこいいです。

デシケータも簡易に、ジャム瓶の蓋に穴を開けてビニール管を突っ込み、穴の周りをシリコーンでコーキングして作りました。

実際に動かしてみましょう!

バッチオッケー!これで、減圧状態と大気圧を数回往復させれば、綺麗に抜けます。真空計は取り付けていないのでどこまで減圧できているかはわかりませんが、脱泡機としては十分使えそうです。

下の写真左がこの真空脱泡機で脱泡後硬化させたもの。右は真空おひつで頑張ったけど抜ききれなかったもの。色味とテクスチャの違いは型が違うので無視してください。

結構便利です。みなさんも作ってみてはいかがでしょうか?

電子 原始生活

電気の気持ちがわかります。先祖の心を研究中。デジタル襖カラクリメンバー